いつもコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。松屋不動産販売 家デパの佐伯です。
皆様は、不動産を売却・購入しようとする時に、自分自身で相手方を見つけて、売ったり・買ったりをする事は、ほとんど無いと思います。ほとんどの方は、不動産仲介業者や宅建業者に相談をして、不動産売買を進められると思います。
では、その取引の間に入る不動産仲介業者とは?一体何をやってくれて、我々が入る事で皆様にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?今日は、その辺りをハッキリとさせるべく記事を書いていきたいと思います。
目次
不動産仲介業者の役割と必要性
不動産仲介業者は、多岐にわたるプロセスで売主様と買主様をサポートする専門家です。その役割と必要性について、以下に詳しく解説します。
不動産仲介業者の役割
- 1.マーケット知識の提供
不動産仲介業者は、常に市場動向や最新の不動産情報を把握しています。
これにより、売主様に対して適正な価格設定や購入希望者に対して最適な物件紹介が可能です。
- 2.査定と売出価格の最適化
物件の特徴や立地、市場の需要と供給などを考慮して、不動産仲介業者は正確な価格査定を行います。
そして、最適な売出価格を提案し、双方にとって有利な条件(納得解)を築きます。
- 3.交渉のプロセスのサポート
価格交渉や契約条件の調整など、専門的な交渉は不動産仲介業者が行います。
これにより、トラブルを未然に防ぎ、円滑な取引を実現します。
- 4.法的知識の活用
不動産取引には法的な要素が絡みますが、不動産仲介業者は法的な知識を有しており、契約の適法性や権利義務に関するアドバイスを提供します。
不動産仲介業者の必要性
- 1.専門家の知識と経験
初めて不動産を売買する方や一般の個人の方が、不動産取引において把握しきれない専門的な知識や経験を持っているのが不動産仲介業者の強みです。
これにより、スムーズで安全な取引が可能となります。
- 2.信頼性と安心感
不動産仲介業者は、宅建業の免許を持つプロフェッショナルであり、信頼性が求められる業界です。
売主様も買主様も、不動産仲介業者を通じて取引を進めることで、安心感を得ることができます。
- 3.煩雑な手続きの代行
不動産売買契約書の作成や重要事項説明、その他手続き、物件の広告など、多くの煩雑な作業を不動産仲介業者が代行することで、売主様や買主様の手間を省くことができます。
総合的に見て、不動産仲介業者は知識と経験を活かして円滑な取引をサポートし、一般個人の方には難しいプロセスをスムーズに進める存在と言えます。
そのため、特に初めて不動産を売ったり買ったりする方にとっては頼りになるパートナーとなります。
なぜ不動産仲介業者が必要なのか?
不動産仲介業者は、売却する方と購入する方の架け橋として活躍します。市場動向や法律に詳しく、円滑な取引をサポートする専門家です。
特に初めて不動産売買をする方は、複雑なプロセスに迅速に対応するために彼らのプロの力を借りることで安心感を得られます。
また、不動産仲介業者は、弁護士などの法律家と違い、一方のクライアントの利益になれば良いという事はありません。
双方のクライアント(売主様と買主様)にとって最大の利益につながるように行動をしていく事が求められています。
不動産仲介業者の主な仕事内容
不動産仲介業者の主な仕事内容は、
・査定や売出価格の提案
・集客 ・物件の紹介
・条件の交渉
・引渡し
と大きくはこの5つのパートに分かれますが、各パートから更に細かく業務が分かれていきます。
以下の章では、この5つのパートについて解説していきます。
査定や売出価格の提案
不動産仲介業者は、物件の価値を正確に査定し、具体的根拠を示して、適切な売出価格を提案します。
これにより、適正な価格での売却が可能となります。また、具体的販売方法や価格変更の時期、チラシやインターネット広告などの提案もさせて頂きます。
集客
不動産仲介業者は広告やネットワークを駆使して多くの購入希望者へ物件を紹介して、売却の成功率を高めます。
今や集客の90%以上はインターネット経由です。我々家デパも多くの広告宣伝費をかけておりますが、更にインターネットでの集客にプラスして物件の周辺へのチラシ配布、近隣への訪問で、購入希望の方の取りこぼしをなくしています。
物件の紹介
仲介業者は購入者のニーズに合わせて適切な物件を紹介し、スムーズな取引を促進します。また、家デパでは購入希望のお客様へのコンタクトを常に行っているので、ニーズの変化にも迅速に対応し、売主様からご依頼頂きました物件との即時マッチングが可能となっています。
条件の交渉
価格交渉や契約条件の調整など、専門的な交渉も行い、双方にとって満足のいく条件を築きます。気持ちの良い仲介、納得のいく売買を常に仲介業者である我々家デパは目指していますので、売主様も買主様もご希望をしっかりと伝えて頂き、双方の希望が交わる点を導き出します。
引渡し
最終的な引渡しまで、不動産仲介業者がトータルでサポートし、安心して取引を完了させることができます。
また、売買完了後も契約不適合責任(不具合の補修など)の履行事項が売買当事者で続いた場合もしっかりとサポートさせて頂きます。
仲介を依頼するメリット
ここでは、不動産仲介業者に仲介を依頼する事で得られるメリットを3つご紹介します。
なぜ仲介を依頼すると適正価格がわかるのか?
仲介業者は豊富な市場データを持っており、過去の取引や地域の動向を踏まえて的確な査定が可能です。これにより、売主は適正価格を正確に把握できます。
また、ご紹介できるお客様の多寡によりその信頼性が増減します。当然、物件周辺を探している方が多ければ成約の確率は高くなります。
逆に、元々探してらっしゃる方が少ない地域であれば、紹介する方も少ないので、成約する確率は下がります。その辺の感覚も仲介業者は持ち合わせていますので、市場のニーズを反映した適正価格を導き出せるのです。
手間を省くことができる理由
煩雑な手続きや交渉、広告活動など、多岐にわたる不動産売却プロセスを一手に引き受け、売主様は手間を省くことができます。基本的に自己発見取引をする方は非常に少ないですし、自己発見取引をしてトラブルになったケースはたくさんあるので、仲介業者を入れて、手間とトラブルを除去して頂きたく思います。
物件の説明をお願いして、契約の責任を負ってもらうメリット
不動産仲介業者は契約のプロであり、契約違反やトラブル時には的確に対処してくれます。また、仲介業者には購入を希望する方に物件の説明をする義務があります。これを重要事項説明と言いますが、正しい認識のもと、事実誤認のないように購入者へ物件の説明をして、間違いのない取引を行うことが仲介業者の仕事であります。これにより、売主は安心して取引を進めることができます。
仲介を依頼するデメリット
仲介を依頼する事で得られるメリットもあれば、逆にデメリットも存在します。あからさまに不利になるという事ではありませんが、仲介を依頼する事により金銭が発生(あくまでも成功報酬です)したり、質の悪い業者に捕まってしまったりする事も考えられます。
仲介手数料の発生に注意
仲介を依頼する際には、仲介手数料が発生します。これが売却利益を減少させる要因となりますので注意が必要です。
もちろん仲介を依頼するだけの価値はあるのですが、やはり仲介手数料は決して安くはありません。依頼を受ける仲介業者の立場で言えば、売買仲介に入るという事は、それだけ重たい責任が付いて回ります。仮に、仲介業者のミスで、家が建てられない土地に家は建てられますと説明をしたら、当然買主様から損害賠償請求をされるでしょうし、その損失を補填しなければ(例えば業者が買い戻すなど)なりません。ですので、我々仲介業者は、調査に慎重であり、鮮明に万全を期さなければなりません。
複数の会社に頼めない場合がある理由
仲介を依頼する方法には3つの契約型式があります。
専任媒介契約と専属専任媒介契約については、他の業者に重ねて仲介の依頼をする事が出来ない決まりとなっているため、一度契約を結ぶと、同じ物件に複数の不動産仲介業者を介入させることが難しくなります。もちろん良い業者であれば、その契約に則り、しっかりと集客をして、売買の相手方を見つけて来てくれると思います。
しかし、なかには販売に積極的(費用を掛けて集客をしないなど)でない業者であったり、仲介を依頼して以降、全く連絡をして来なかったりする業者も存在します。
専任媒介契約と専属専任媒介契約については、業務の進捗状況を報告する義務(専任媒介契約は2週間に1回以上、専属専任媒介契約は1週間に1回以上の頻度)があるので、連絡をして来ない場合は、宅建業法に違反する事になります(未だにそんな業者が結構います)。やはり信用のおける業者に依頼をしたい所ではありますが、なかなか最初からそれを見抜くのは難しいと思います。
悪徳業者に注意が必要な理由
市場には悪徳業者も存在し、信頼できない業者と取引するリスクがあります。信頼性を確認せずに依頼をするとトラブルに発展する可能性があるため、慎重な選定が必要です。私が実際に見た程度の悪い業者をいくつか紹介しましょう。
・売却の依頼を断ったら、電話で恫喝をされたケース
⇒これは、実は大手不動産仲介業者の担当者でしたが、当社に売却の依頼を出したと連絡を入れた売主様が、その相手から口汚く罵られました。大手だからと言って良い人ばかりではないという事がハッキリしました。
・収益物件の売却の依頼をしていた業者から再三安い購入話を持って来られて契約を迫られたケース
⇒業者から散々『もうこれ以上の金額は他をあたっても出ない』と説得をされてきた売主様が当社に相談に来られて、その日のうちに1割以上高い金額で買い手が見つかったという事がありました。ここからは推測ですが、その購入を希望していた宅建業者と売却の依頼を受けていた業者は通じ合っていて安く買おうとしていたと思います。
・販売活動を十分に行わないまま買い取り保証金額での買取を迫られたケース
⇒これも買い取り保証を行っている業者にはよくある話ですが、十分な販売活動を行わず、『売れない』と理由を付けて、査定金額の7割程度の金額で買取に持っていこうとする業者の手口です。
このように売主様の情報不足を逆手にとって、自分たちの都合のいいように売買を進めようとする業者はたくさんいますので、くれぐれも業者選びには細心の注意を払って頂きたく思います。
信頼できる不動産仲介業者を見極めるポイント
信頼できる不動産仲介業者・担当者を見極めるのは、なかなか難しい所があります。
他のコラムでも書いていますが、私が思う信頼のおける業者・担当者と言うのは、【誠実でウソがない】、まずはココではないでしょうか。やはり、お客様に対して誠実でなければ、信用もしてもらえませんし、ましてや大切な資産の売却を任せてもらえるわけがありません。また、良かれと思ってなのか?取り繕うためなのか?ウソの多い担当者も事実多いので、そんな人も信用はおけません。根柢の部分【誠実でウソが無い】以外にも見極めるポイントがあるので、2つ紹介します。
価格の根拠が合理的であるか確認しよう
不動産仲介業者が提示する査定価格は、適切な根拠に基づいていることを確認することが重要です。明確な査定ポイントや市場動向の説明があれば、信頼性が高まります。この具体的根拠を示すことは大変重要な事です。なぜなら、その根拠が捏造されて、例えばとても安い金額に査定されていれば、その物件を買おうとしている人や業者との癒着があるかもしれません。逆にものすごく高い金額で査定してくれば、ただ売却の依頼を受けたいだけの業者かもしれません。
売却を受けたいだけの業者は、売る事は二の次で、売却の依頼をもらい、時間を掛けて値段を下げて、いつか手数料になれば良いと思っている業者なので、そんな業者に捕まると売れるもの売れなくなってしまいます。
客観的に見ても、具体的な根拠(公的な指標や直近の成約事例など)が示された金額であれば、それは市場の流通性を十分に考慮した金額であると思いますので、そういった金額示してくる業者は信頼がおける業者でしょう。
約束や期限を守っている業者を選ぼう
信頼できる業者は、約束や期限を厳守します。契約内容や売買プロセスに関する説明が詳細であるか、事前に確認しておくと安心です。また、長くこの業界におりますが、時間にルーズな人が多いのも、この業界にとって『よくある話』であり、そういう担当者に限って、お客様への連絡も無ければ、商談や売買においてトラブルが多いのは事実です。
まとめ
今回のテーマ『不動産仲介業者を利用するメリット・デメリットを知ろう!』はいかがでしたでしょうか。
私の個人的意見としては、不動産仲介業者は是非入れるべきだと思っています。大手仲介業者に在籍して時も、松屋不動産販売にいる今もその考えは変わりません。
それは、やはり不動産売買にはトラブルが多く、もし大きなトラブルに発展すると取り返しのつかない事態となってしまうので、そのトラブルを仲介業者は、事前に予見し、説明を重ね、売買契約書には万が一の事態にはこうなりますとその解決策まで盛り込んでおくことが求められます。『転ばぬ先の杖』として仲介業者をご利用されることをおすすめします。