不動産売却を考えているけど、税金計算が複雑で不安な気持ち、よく分かります。
不動産売却で発生する税金は、物件の用途や所有年数によって計算方法が異なり、分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産売却時の譲渡所得にかかる税金の計算方法を、具体的な例を挙げて分かりやすく解説していきます。
不安を解消し、売却に関する正しい判断を支援することで、安心して不動産売却を進められるようにサポートします。
目次
不動産売却でかかる税金の種類
不動産売却でかかる税金は、大きく分けて5つの種類があります。
それぞれの特徴と具体的な計算方法を解説していきます。
1: 所得税と住民税
不動産が買ったときよりも高く売れて、利益が出た場合などに、課税される税金です。
仲介手数料などの諸費用を差し引いた「純粋な利益」に課税されるとイメージしてください。
「所得税」「住民税」「復興特別所得税」を合わせた税率は、不動産を所有していた期間が5年以下なら約39.63%、5年超なら20.315%です。
「こんなに税金がかかるの!?」と思われた方も多いと思いますが、マイホームを売却した場合には、利益が3,000万円まで非課税になる制度があります(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)。
したがって、この特例が使えれば、上の例で所得税・住民税はかかりません。
2: 印紙税
不動産の売買契約書に印紙を貼って納税します。
2014年(平成26年)4月1日から2027年(令和9年)3月31日までに作成された不動産売買契約書には、軽減税率が適用されます。
税額は次のとおりです。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
— | — | — |
10万円を超え 50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え 100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え 500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え 1,000万円以下のもの | 3千円 | 1千500円 |
1,000万円を超え 2,000万円以下のもの | 4千円 | 2千円 |
2,000万円を超え 3,000万円以下のもの | 5千円 | 2千500円 |
3,000万円を超え 4,000万円以下のもの | 6千円 | 3千円 |
4,000万円を超え 5,000万円以下のもの | 7千円 | 3千500円 |
5,000万円を超え 6,000万円以下のもの | 8千円 | 4千円 |
6,000万円を超え 7,000万円以下のもの | 9千円 | 4千500円 |
7,000万円を超え 8,000万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
8,000万円を超え 9,000万円以下のもの | 1万1千円 | 5千500円 |
9,000万円を超え 1億円以下のもの | 1万2千円 | 6千円 |
1億円を超えるもの | 契約金額の2/1000 | 契約金額の1/1000 |
3: 登録免許税
不動産の売買契約が成立した際に、登記手続きを行う際に発生する税金です。
税率は、不動産の価格によって異なります。
例えば、不動産価格が1,000万円の場合、登録免許税は2万円になります。
不動産価格が1億円の場合、登録免許税は40万円になります。
4: 固定資産税
不動産を所有している間、毎年支払う必要がある税金です。
税率は、不動産の種類や所在地によって異なります。
例えば、住宅用不動産の場合、税率は1.4%です。
5: 都市計画税
都市計画の整備費用に充てるための税金です。
税率は、固定資産税の税率と同じです。
例えば、住宅用不動産の場合、税率は1.4%です。
不動産売却時の譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税の計算方法をステップごと解説していきます。
具体的には、譲渡所得の算出方法、特別控除の適用、税率の計算などを、分かりやすい例を用いて説明します。
1: 譲渡所得を把握する
譲渡所得を求める計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 物件を売った金額等(譲渡収入金額) - (売却時の諸費用(譲渡費用) + 物件を買った費用(取得費用))
例えば、以下のようなケースで考えてみましょう。
項目 | 金額(万円) |
---|---|
— | — |
売却価格 | 3,000 |
売却諸費用 | 200 |
取得価格 | 2,000 |
取得諸費用 | 50 |
この場合、譲渡所得は以下のようになります。
譲渡所得 = 3,000 – (200 + 2,000 + 50) = 750万円
2: 特別控除額を差し引く
譲渡所得から特別控除額を差し引いた金額が、課税対象となる譲渡所得となります。
特別控除額は、不動産の種類や所有期間によって異なります。
例えば、マイホームを売却した場合には、3,000万円の特別控除が適用されます。
3: 税率をかける
課税対象となる譲渡所得に税率をかけることで、譲渡所得税の金額が算出されます。
税率は、不動産の種類や所有期間によって異なります。
例えば、マイホームを売却した場合、5年以上の所有期間であれば20.315%、5年未満であれば39.63%の税率が適用されます。
上記で算出した譲渡所得750万円から、3,000万円の特別控除を適用すると、課税対象となる譲渡所得は0円となります。
そのため、このケースでは譲渡所得税はかかりません。
まとめ
不動産売却でかかる税金の種類は、所得税と住民税、印紙税、登録免許税、固定資産税、都市計画税の6種類です。
特に、マイホーム売却の特例である「3,000万円の特別控除」は、多くの人が利用できる制度です。
譲渡所得税の計算方法は、譲渡所得から特別控除額を差し引いた金額に税率をかけることで算出できます。
売却を検討する際は、税金計算を事前にしっかりと行い、売却に関する正しい判断をしましょう。
当社は、愛知県(名古屋市、東三河、西三河など)を中心に不動産の売買をワンストップでサポートしています。
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